全国に五万とある八幡宮。これって八幡神社なんて呼ばれてるところもありますが、その違いってどこにあるんでしょう?また八幡宮の鳩のことや位も知ってるようで知らないことが多いですよね。今回は、八幡宮の総本山や祭りの種類についても取り上げてみたいと思います。
八幡宮と八幡神社に違いがある?
元来、日本には神宮と大社が1つずつで後は神社でした。神宮とは伊勢神宮のことで大社は出雲大社のことです。しかし、延喜式神名帳が905年に醍醐天皇の名で作られると、神宮は伊勢、鹿島、香取の三つを指し、大社は大新宮関係のものが6つと八幡大菩薩宇佐宮と八幡大菩薩筥崎宮が記されています。
また、当時の官社の一覧表もあり2861社が羅列されています。ここに記されているのが式内社(平安時代に官社として認定されていた由緒ある神社)です。通常、宇佐神宮から分祀された官社が八幡宮であり、八幡神社です。つまり、八幡宮と八幡神社に違いはあってないようなもの、と言えると思います。
八幡宮と鳩の関係
宇佐神宮から分祀された八幡宮には鳩をよく見かけます。境内にもたくさん集まってきているのもよく見ます。ではなぜ鳩なんでしょうか?日本には八百万の神様がいますが神様には使い、とか乗りものとかで動物が付き物です。そしてその動物は大抵の場合白いのです。白というのが神聖なイメージがあるからかもしれません。八幡様の場合は鳩が八幡様のお使いだそうです。
一説には「宇佐八幡宮から石清水八幡宮へ八幡様を勧請する折、白い鳩が道案内をしたことから」というものもあるようですが、はっきりしたことは分かっていないようです。
位とは?
神社の位を社合と呼ぶようですが、やはり一番位が高いのは「神宮」です。伊勢、鹿島、香取の三つでここは天皇を神として祀っています。続いて「宮」。こちらは皇族を神様として祀っています。続いて「大社」。更には「社」これは大きな神社から神様を歓請したところがつけられるようです。そして「式内社」。
先ほども書きましたように延喜式神名帳によると、式内社は2861社あったようです。日本では一番の多さを誇る八幡様ですが、その数はなんと7817社にもなるそうです。延喜式以降にできた神社がそこから下の位となります。「総社」「摂社」「末社」となるようです。
総本山ってどこにあるの?
総本山となる宇佐神宮は大分県にあります。これはやはり朝鮮半島から仏教が伝来してきたことと深い関わりがあるようです。八幡宮は応神天皇の御神霊を祀る社です。御殿は725年に造立され、これが始まりとされています。さらに「日本書紀」によりますと比売大神が宇佐嶋に御降臨され、この地主さまとして八幡様より先にあがめられていたようです。
その後、八幡神が祀らてから6年後に御神託があり、二の御殿が造立され国造により、比売大神が祀られることとなったようです。次に823年に三の御殿を造るよう御神託があり、応神天皇の母である神功皇后をお祀りしています。つまり、八幡宮の総本宮である宇佐神宮には三殿一徳のご神威があり、勅使社としての位を貰ったわけです。
お祭りの種類って何があるの?
八幡宮のお祭りと言えば全国各地にある八幡宮で秋に行われるものです。
ではどんなものがあるのでしょう。有名な所で見てみると石清水八幡宮があります。ここのお祭りは勅祭と呼ばれるものです。これは天皇陛下のお使いである勅使が天皇陛下から直々にお供え物を参向する祭典のことだそうです。これは石清水八幡宮の他にも16社ほどしかすることの許されていない祭りのようです。
他には賀茂別雷神社、賀茂御祖神社、春日大社、熱田神宮、出雲大社、氷川神社、鹿島神宮、香取神宮、橿原神宮、近江神宮、平安神宮、明治神宮、靖国神社、宇佐神宮、香椎宮です。他にも、なじみ深い所で言うと神輿渡御、稚児行列、流鏑馬神事など、必ず一度は見たことのあるお祭りとなっているのではないでしょうか?