奈良県にある世界遺産にもなっている法隆寺は、皆さん御存知ですね。国宝にも指定されてある法隆寺に七不思議があるというのです。七不思議の事を知ってもう一度法隆寺に行ってみれば10倍楽しめるのではないでしょうか?
では、その見所はどこにあるのでしょう?更に五十塔について知っているようで知らないことも多いのではないでしょうか?今回はこのことについて取り上げたいと思います。
法隆寺の七不思議とは?
法隆寺の七不思議にはもちろん正確な記録もありません。七不思議が言われるようになったのは江戸時代ごろからと言われています。ではどこに何があるのでしょうか?
まず、
「法隆寺の伽監には蜘蛛も巣を作らず、雀も糞をかけない」
とされています。しかし実際にはそんなことはないようです。当時の僧侶たちが法隆寺を清い寺としたいという願いの表れかもしれません。
次に、
「南大門の前に鯛石と呼ばれる大きな石がある」
これは本当にあるようで、大きな鯛の形をした石が埋め込まれています。これはどんなに大雨が降ってもここまでしか水は来ない、という意味が込められているようです。
「五十塔上部の九輪に鎌が4本刺さっている」
というものもあるようです。これは聖徳太子の怨霊封じという説もありますが、落雷防止の祈願のようです。雷の魔物が塔に降りるのを封じるために鎌が4本刺さっているとのことです。
「法隆寺の中庭に伏蔵が3つある」
伏蔵というのは地下にある像のことで法隆寺が破損したときに再建できるよう、宝物を保管しておく蔵のことのようです。
「因可池(よるかいけ)の蛙には片目がない」
西院伽監と東院伽監を結ぶ石畳の奥には因可池があります。昔、この付近に太子が住んでいる宮がありました。学問を励んでいても蛙が鳴いてうるさいので筆で目をついたという言い伝えからきているようです。
「夢殿の礼盤の裏が汗をかいている」
夢殿の救世観音像の前に礼盤というお坊さんが座る台があります。毎年2月にこの礼盤を日にあててその年が豊作か不作かの占いを行うことからきているようです。最後に
「雨だれの穴が地面に開かない」
実際にはいくつもあります。しかしこれは法隆寺の水はけの良さや地盤の良さを言っているようです。
見所はどこ?
法隆寺には国宝級の美術品や建築物が多数あります。その中でも特に見所はどこでしょうか?まず、中門です。西院の入り口にある代表的な建築物で門の両脇には金剛力士像がいます。重要な飛鳥建築のものです。
また、有名な五十塔も見所の一つです。世界最古と言われる木造建築物で法隆寺を代表する建築物です。更に五十塔と同じく世界最古の建築物である金堂があります。この中には様々な美術品がおさめられています。中でも金堂の本尊である釈迦三尊像や四天王像、百済観音などは教科書でも見たことのあるものではないでしょうか?
更に宝物展示館(大宝蔵院)では観音菩薩立像、玉虫厨子、阿弥陀三尊像などの国宝も展示されています。また先ほどの七不思議に出てきた夢殿の救世観音像も国宝ですが、一般公開はされておらず毎年春と秋のみ特別公開されるとのことです。
五十塔について
世界最古である五十塔ですが、なぜ5つあるか御存知ですか?これは下から地、水、火、風、空を表しているとされ、仏教的な宇宙を表現しているとのことです。また五十塔は仏塔とされます。仏塔とは古来インドで釈迦の遺骨を祀るために作られたと言われています。
毎日、通えないぐらい遠いところに住んでいる人にも遠くから祈りを捧げることができるように高い建築物にしたともいわれています。また五十塔は耐震性にも優れています。現在の高層ビルの耐震構造にも使われるほどその柔構造は優れていますが、当時の人がそれを知って作ったかどうかは全く分かっていません。
こうしてみただけでもたくさんの見所や魅力に溢れていると言えますね。もう一度ゆっくり時間をとって法隆寺に触れてみるのもいいかもしれません。