天神祭の画像

前回紹介した神田祭に引き続き、今回は日本三大祭の一つである天神祭についてです。ちなみに、日本三大祭りとは、京都の祇園祭、東京の神田祭、そして大阪の天神祭です。今回は天神祭の本宮で行われる船渡御や他ではあまり聞かないギャルみこし、その歴史についても取り上げていきたいと思います。

 

船渡御ってどんなことをするの?

6月下旬の吉日から7月25日の一ヶ月間に渡って天神祭が行われます。その最終日である25日の本宮で行われる神事の一つが船渡御です。まず最初に船渡御の前に陸渡御が行われます。

本殿から御神霊が御鳳輦(ごほうれん)という神輿に移されると陸渡行列のスタートです。大阪天満宮を出た行列は催太鼓を先頭に猿田彦、神鉾、地車と続き総勢3000人もの大行列となります。船渡御の出発地点である天神橋まで約3キロ練り歩きます。

渡行列が天神橋に着く少し前から、多くの人が船に乗り込み暗くなってきた川に篝火や提灯に火がともされたり、と祭りの雰囲気が一気にもりあがります。船渡御の最初は催太鼓です。そして船渡御開始の花火が打ちあがり、御神霊を迎える奉拝船を中心とする上流と御神霊を乗せた御鳳輦船を中心とする下流の二手に分かれた渡御船団が7キロに渡って行きかうのです。

再び陸に上がるまで船団は自由に行き交い水上パレードを披露します。船渡御の最中に奉安船(御鳳輦船や奉拝船など)は船上祭の神事が執り行われます。この最中は奉安船とすれ違う他の船も踊りや太鼓林を止めて静かに行き交います。更に辺りが暗くなってくると奉納花火が打ち上げられ、大川の水面が幻想的に夏のお祭りの色を映し出すのです。

天神祭の花火の画像
 

ギャルみこしって何?

天神祭の前イベントとして宵宮の前日である23日に天神橋筋商店街を巡行するのがギャルみこしです。天神祭女性御神輿実行委員会が主催となり女性にも御神輿をかつぐ楽しさを知ってもらおうとしたのが始まりのようです。正式名称は「天神祭女性神輿」ですが、いつの間にか人々の間でギャルみこしと親しみを込めて呼ばれるようになったようです。

もし、参加しようと思われた方は公式サイトに

「参加資格は16歳以上で30歳までの体力に自信のある健康な女性。募集人数は120名。書類審査、面接審査を経て選考されます。」

と書かれてあるので一度、問い合わせてみられてはいかがでしょうか?

 

天神祭の歴史

大阪天満宮が創祀されたのは949年、平安時代のことです。当時、道真公を御神霊として祀っていたところ、落雷や疫病が都で流行り人々は非業の死を遂げられた道真公の怨霊だと考えその霊を鎮めるために「天神様」として祀り951年に鉾流神事を始めました。これは大川に神鉾を流しそれが漂着したところに御旅所を設けるという神事で、御旅所とは御神霊が休憩されるところを指すようです。

御旅所の準備ができると御神霊は陸路で川岸まで出御、乗船して大川を下り御旅所まで行くというルートをたどりました。これが船渡御の起源だと言われています。

途中大阪の陣の戦火などで中断していた時期もありましたが、今では日本三大祭りの一つとして挙げられるまでの大きな祭りになりました。大阪の発展とともに一緒に成長してきた祭りと言えるのではないでしょうか?