神社の鳥居の画像

神社での参拝ですが、その作法についてしっかりと理解している人はどのくらいいるのでしょうか?また、人によってそれぞれの神社に相性の良し悪しがあるということを知っていますか?

その他にも、お守りはどう処分したらいいのかということや「禰宜(ねぎ)」とは何なのかということについて詳しく取り上げていきたいと思います。

初詣や縁日、合格祈願、七五三の行事、旅先などで、神社へ参拝する機会は案外多いもの。また、ここ十数年の「パワースポット」、「癒し」、「縁結び」といったスピリチュアル・ブームによって、神社めぐりも徐々にメジャーなものになってきました。

私も、休みの日や旅先で、神社仏閣を参拝することを楽しみにしていて、御朱印を集めています。集めた御朱印帖は、自分の葬式で棺に入れてもらおうと思っています。

ただ、いざ参拝するというときに、正しい参拝の作法がわからず、まごついてしまうことってありませんか?

今回は、参拝の作法や、頂いたお守りの扱い方などをご紹介します。

 

参拝の作法は?

【参道】

まず、鳥居をくぐるまえに、軽くお辞儀をしてから境内に入ります。

できれば、一の鳥居から、二の鳥居、三の鳥居と順番に進みましょう。

参道の中心は「正中(せいちゅう)」といって、神様の通る道ですので、中央は避けて端を歩くようにしましょう。

 

【手水舎】

本来なら、参拝する前に、禊をして身を清めなければならないところですが、代わりに参道の脇にある手水舎(ちょうずや、てみずや)で手と口を清めます。

手順は以下の通りです。

1:右手で柄杓をとり、汲んだ水でまず左手を清めます。

2:左手で柄杓をとり、次に右手に水をかけて清めます。

3:再び、右手で柄杓をとり、汲んだ水を左の手のひらで受けて、その水で口をすすぎます。このとき、柄杓に直接口をつけないようにしましょう。

4:もう一度水を左手にかけて清めます。水を汲んだ柄杓を縦にして、持ち手の部分に水をかけて清め、柄杓を元の場所に戻します。

実際にこの手順をやってみると、とても自然に手が動き、気持ちよくお清めを終えることができるはず。ぜひ、実践してみてください。

 

【参拝】

拝殿の正面に立ったら、軽く会釈をし、鈴を鳴らします。

賽銭箱に賽銭を投げ入れます。これは、神様への真心のしるしとして、神前に米を撒く風習の名残だそうです。

二礼二拍手一礼します。

二礼…二度深くお辞儀をします

二拍手…両手を胸の前で合わせ、右手を少し下にずらして、肩幅くらいまで手を開いて、二回手を打ちます。その後、手をきちんと合わせながら、心を込めてお祈りします。

一礼…最後に、もう一度お辞儀をします。

 

 相性の良い悪いがある?

神社にお参りしたとき、

「あ、なんとなくこの場所に来たら元気が出てきた!」

「参道で何故かつまづいたりして、なんとなく居心地が悪い気がする…」

ということってありませんか?

神様と人間との間にも、相性というものがあるそうです。

相性の違いには、自分の先祖のご縁が関係してくるそう。

たとえば、先祖が源氏に連なる人であれば、源氏関係の神社仏閣(八幡宮など)では良い気分で迎えられ、平家関係の神社仏閣(厳島神社、弁財天を祀るところなど)では、何となく拒絶されるような雰囲気を感じる、というようなことがあるようです。

また、藤原氏系であれば、春日大社系統が相性がいい、ということになりますが、天満宮系統に行くと拒絶の空気を感じるかもしれませんね(藤原時平に左遷された菅原道真を祭神としていますので…)。

また、先祖に軍人や警官だった人がいたら、靖国神社や護国神社は相性がよいということがあるそうです。自分の先祖について調べてみると、相性の良い神社のヒントが見つかるかもしれません。

 

いただいたお守りは、その神社に返すべき?

合格祈願のお守りや、初詣の度に頂いたお守り、妊娠した時にもらった安産祈願のお守りなどなど…。

もらってから古くなったお守りや、願い事が叶った後のお守り、どのように処分したらよいのでしょうか?

お守りの効果は、だいたい一年を目安に考えるとよいそうです。一年がすぎたお守りは、感謝の気持ちを込めて、基本的には頂いた神社へお返ししましょう。「古神札納め所」といった、返納場所が用意されていますので、その場所に感謝の気持ちを込めて返納します。

遠くの神社のお守りで、直接返すのが難しい場合は、最寄りの神社にお返ししても大丈夫です。ただし、神社のお守りは神社へ、お寺のお守りはお寺へお返しするようにしましょう。

 

禰宜(ねぎ)とは?

神社に使え、祭事や社務などの神事を執り行う者を、神職といいます。現在は、神職の総称として、関東では「神主(かんぬし)さん」、関西では「禰宜(ねぎ)さま」と呼ぶことが多いようです。

古来より、日本の神道における神様は、自然そのものであり、農作物という恵みを与えてくれる同時に、大災害ももたらす畏れ多い存在でした。

個人的には、仏様は、ドラえもんのように、悪いこともすべて受け入れてくれる母性的な存在だと思います。それに対して、神様は、怒ると恐ろしく、正しい方向へ厳しく導く父性的な面があると感じます。

正しい作法についてお伝えしてきましたが、神社仏閣にお参りするときに大切なのは、やはり感謝の気持ち、謙虚な気持ちで参拝するということだと思います。

形だけの作法を行うのではなく、まして気軽に気分転換感覚で訪れるのではなく、まず、参拝に来ることができたことに感謝する気持ちを持って、心をこめてお参りしましょう!