エルニーニョ現象の画像

エルニーニョ現象って何なのでしょうか?その影響や原因について取り上げていきます。

昨年2014年の夏。猛暑でしたね。

昨年は引っ越しによる金欠のためエアコンが買えず、扇風機と団扇のみで暑さをしのいでいましたが、北関東のいわゆる避暑地で生まれ育った私には、あの暑さは完全に限界を超えていました。無理です。このままでは命に関わります。

というわけで、思い切って先週エアコンを購入したわけですが、テレビをつければ、「今年はエルニーニョ現象のため、冷夏になるでしょう」というニュースが…。

はりきってエアコン買ったものの…冷夏?(泣)

そもそもエルニーニョ現象ってどのような現象なのでしょう?日本に具体的にどんな影響があるのでしょうか?

 

*エルニーニョ現象とは?その原因と影響って?

 

エルニーニョ現象②の画像

※エルニーニョ/ラニーニャ現象に伴う太平洋熱帯域の大気と海洋の変動(気象庁HPより)

エルニーニョ現象とは、太平洋の赤道域の日付変更線付近から南米ペルー沖にかけての海面の水温が例年より異常に高くなり、その状態が1年くらい続く現象のこと。

通常、太平洋の赤道付近には東から西へ向かって吹く風、いわゆる貿易風が吹いていて、赤道域の温まった海水は貿易風によって西側へ集められ、東南アジア付近に積乱雲が発生して、たくさんの雨が降ります。

ところが、何らかの原因で、この貿易風が弱まると、温まった水面の海水は西側へ集められなくなり、東側に留まったままになります。

これにより、太平洋熱帯域の西側では海面の水温が例年より低下し、対流活動が不活発になります。この状態がエルニーニョ現象です。

逆に、太平洋西側の海域の海面水温温度が例年より低下する現象をラニーニャ現象といいます。

気象庁の発表によると、2014年4月の段階では太平洋赤道域の海面水温が平年よりも高く、今年の夏には5年ぶりにエルニーニョ現象が発生し、秋まで続く見通しが高いということです。

 

*エルニーニョ現象によって異常気象が起きる?

エルニーニョ現象により、例年は乾燥しがちな南米沖に面するペルーやボリビアの降水量は増えるといわれ、その一方でオーストラリアや東南アジアで干魃(かんばつ)が起きる傾向があります。

このように、エルニーニョ現象が発生した場合、世界全体の気候に大きな影響を与え、世界各地のハリケーンや豪雨、干魃などの異常気象が起きるおそれがあります。

 

それでは実際に、過去、エルニーニョ現象が日本にもたらした異常気象とは?

前回、エルニーニョ現象が発生したのは6年前の2009年でした。(マイケルジャクソンが逝去した年です。)

この年の夏、北・東・西日本は日照不足となり、多くの地域で梅雨明けが遅れました。キュ集北部と近畿・東海地方では梅雨明けが8月にずれこみ、中国・北陸・東北地方は梅雨明けが特定できなかったのです。

また、1993年も、エルニーニョ現象により大冷夏となった年です。米の不作により、タイ米が多く流通したのは記憶に新しいところです。

エルニーニョ現象が発生すると、太平洋熱帯域の西側では海面の水温が例年より低下するため、対流活動が活発に行われなくなります。

太平洋高気圧の日本付近への張り出しが弱くなり、日本全体をあたたかく湿った空気が包み込みます。

そのため、

・低温、冷夏になりたすい。

・各地で降水量が増え、集中豪雨や土砂崩れなどが発生しやすくなる。

・日照不足になる傾向がある。

といった気候の変化が生じる可能性があります。農作物の収穫量にも影響が出るでしょう。

 

近年、ゲリラ豪雨や集中豪雨が数多く発生していますが、今年の夏も、梅雨が長引き、豪雨災害にも注意が必要となりそうです。

 

また、冷夏が訪れた場合、経済的には、

・エアコンや夏衣類の売り上げ減

・海水浴場の観光客減など

・ビールや飲料品が売れない

…といった影響が出てくる可能性もありますね。

 

しかし、過去のデータからの傾向からある程度予測することができるとはいえ、相手は自然現象。

実際になってみないとわからない面があります。

いずれにしても、今後の気象情報には十分注意して、豪雨による災害時には適切に行動できるようにしておきたいものですね。