
たんぱく質は「とったほうがいい」とよく聞くのに、じゃあ実際に何gなのか、と聞かれると意外と答えにくいんですよね。
この記事では、国の基準(日本人の食事摂取基準)と、運動している人向けの目安を分けて整理しました。そのうえで「食べ物にすると何gくらいか」まで落とし込んでいます。数字は文部科学省の食品成分表の値を使っています。
1日の目安は「男性65g・女性50g」
国の「日本人の食事摂取基準」では、18〜64歳の推奨量を次のようにしています。
- 男性:1日65g
- 女性:1日50g
- 65歳以上:男性60g・女性50g
推奨量は「ほとんどの人がこれだけとれば足りる」という量です。体重あたりにすると、成人で1kgあたり0.66gが「半分の人が足りる量(推定平均必要量)」とされていて、推奨量はそれより少し多めに設定されています。
もう1つの見方が、1日のカロリーに占める割合です。食事摂取基準では、たんぱく質は総エネルギーの13〜20%(50歳以上は下限が少し上がります)を目標量にしています。2,000kcal食べる人なら、65〜100gくらいの範囲です。
運動している人は「体重×1.4〜2.0g」が目安
筋トレやスポーツをしている人は、上の基準より多めが目安になります。国際スポーツ栄養学会は、運動している人のたんぱく質を体重1kgあたり1日1.4〜2.0gとしています。
体重60kgなら84〜120g。正直、こうして数字にすると「けっこう多いな…」と感じる人が多いと思います。自分の体重で計算したいときは、上の計算ツールに体重を入れるとすぐ出ます。
食べ物にすると何gくらい?
食品成分表の値(可食部100gあたり)で、よく食べる物を並べるとこうなります。
| 食品(100gあたり) | たんぱく質 | カロリー |
|---|---|---|
| しろさけ 焼き | 29.1g | 160kcal |
| 鶏ささみ 生 | 23.9g | 98kcal |
| 鶏むね肉 皮なし 生 | 23.3g | 105kcal |
| まあじ 生 | 19.7g | 112kcal |
| 豚ロース 脂身つき 生 | 19.3g | 248kcal |
| 納豆 | 16.5g | 184kcal |
| ツナ缶(水煮) | 16.0g | 70kcal |
| 卵 生 | 12.2g | 142kcal |
| 木綿豆腐 | 7.0g | 73kcal |
| ご飯(白米) | 2.5g | 156kcal |
注意したいのは、「たんぱく質65g」は食品の重さではなく、中に入っているたんぱく質の量だということです。鶏むね肉だけで65gとるなら、280gくらい必要になります。
実際は1つの食材でまかなうわけではないので、朝に卵と納豆、昼に魚、夜に肉、のように毎食少しずつ足していくのが現実的です。ご飯やパンにも少しずつ入っているので、主食も合わせて数えると届きやすくなります。
「1回に20〜30gしか吸収できない」は本当?
よく聞く話ですが、これは少し言い方がずれています。食べたたんぱく質は、量が多くても消化・吸収はされます。
話の元になっているのは「筋肉を作る反応が、1食あたりどのくらいの量で頭打ちになるか」という研究です。国際スポーツ栄養学会は、1食あたり20〜40g(体重1kgあたり0.25g前後)を、3〜4時間おきにとるのを目安にしています。
なので「多く食べたら無駄になる」というより、「1回にまとめるより、3食に分けたほうが筋肉づくりには使われやすい」と考えるのが近いと思います。朝は少なく夜にどかっと、という人は、朝に少し寄せるだけでも変わります。
足りないとどうなる?
たんぱく質は、筋肉だけでなく、皮膚や髪、血液、酵素など体のあちこちの材料です。不足が続くと、筋肉量が落ちやすくなります。
特に気をつけたいのが、ダイエット中と高齢の方です。
- ダイエット中:食事を減らすと、たんぱく質も一緒に減りがちです。体重が落ちても筋肉まで減ると、元の食事に戻したときに戻りやすくなります。
- 高齢の方:筋肉が落ちて動きにくくなる「フレイル」の予防のため、食事摂取基準でも、65歳以上はカロリーに占めるたんぱく質の目標の下限が高めになっています。
とりすぎは大丈夫?
食事摂取基準では、たんぱく質に「これ以上はだめ」という上限量(耐容上限量)は決められていません。ただ、目標量の上限はカロリーの20%までです。それに、肉や乳製品でとると脂質やカロリーも一緒に増えるので、量より「何でとるか」のほうが大事だと思います。
腎臓の数値を指摘されている人や、持病で食事の指導を受けている人は、自己判断で増やさず、先に医師に相談してください。
この記事の数字について
ここで書いた量は、どれも「目安」です。体格や年齢、運動の内容で必要な量は変わりますし、食品の値も同じ食材で産地や調理法によって変わります。コンビニのサラダチキンのような商品は、パッケージの栄養成分表示のほうが正確です。
まとめ
- 国の推奨量は、18〜64歳で男性65g・女性50g
- 運動している人は、体重×1.4〜2.0gが目安
- 1回にまとめず、3食に分けてとるのが現実的
- 増やすなら、脂質の少ない魚・鶏肉・大豆製品から
自分の体重での目安量や、カロリーを増やさずにたんぱく質を足せる食品は、たんぱく質の計算ツールで調べられます。1日に食べた物の合計は食事のカロリー・PFC計算ツールで確かめられます。
ダイエットとたんぱく質の関係や、プロテインの使い方はこちらの記事にまとめています。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」/文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」/Jäger R, et al. International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise. J Int Soc Sports Nutr. 2017.





