卵と目玉焼き

食事のコレステロールは、以前ほど厳しく制限されなくなりました。国の「日本人の食事摂取基準」では、健康な人のコレステロールの上限の目標量はなくなっています。体のコレステロールの多くは肝臓で作られていて、食事から少し多くとっても、体の中で作る量が調整されるからです。

ただし、LDL(悪玉)コレステロールが高い人は、食事のコレステロールを1日200mg未満にするのが望ましいとされています。また、コレステロールの値には、食べ物のコレステロールより飽和脂肪酸のほうが大きく影響します。

この記事では、コレステロールの多い食べ物と、値が高いときの食事の見直し方をまとめました。

コレステロールとは

コレステロールは、細胞の膜やホルモン、胆汁の材料になる、体に必要な脂質です。血液の中では、次の2つの形で運ばれています。

  • LDLコレステロール(悪玉):コレステロールを体のすみずみに運ぶ。多すぎると血管の壁にたまり、動脈硬化の原因になる。
  • HDLコレステロール(善玉):余ったコレステロールを回収して肝臓に戻す。

健康診断では、LDLコレステロールが140mg/dL以上、HDLコレステロールが40mg/dL未満だと、脂質異常症の目安になります(日本動脈硬化学会の診断基準、空腹時)。

コレステロールの多い食べ物

食品成分表の値です。

食品 100gあたり 量の例
鶏卵(卵黄) 1,200mg ―
鶏卵(全卵・生) 370mg 1個(50g)で約185mg
たらこ(生) 350mg 半腹(30g)で約105mg
するめいか(生) 250mg 刺身70gで約175mg
しらす干し(微乾燥品) 250mg 大さじ2(10g)で約25mg
豚レバー(生) 250mg 50gで約125mg
うなぎかば焼 230mg 1串(100g)で約230mg
有塩バター 210mg 10gで約21mg
まあじ(生) 68mg 1尾(70g)で約48mg
普通牛乳 12mg 200gで約24mg

※量の例は一般的な目安です。

卵は1日1個まで?

「卵は1日1個まで」と言われてきましたが、健康な人なら、1日1〜2個くらいでコレステロールの値が大きく変わることは少ないと考えられています。卵は良質なたんぱく質がとれる食べ物でもあります。

ただ、LDLコレステロールが高いと言われている人は、医師や管理栄養士の指示に従って量を調整してください。卵1個で約185mgなので、1日200mg未満を目指すなら、卵はほぼ1個が上限になります。

LDLコレステロールが高いときの食事

  • 飽和脂肪酸を減らす:肉の脂身、バター、生クリーム、ココナッツオイル、洋菓子など。いちばん効果が大きいところです。
  • 油は植物油や魚に:オリーブ油やなたね油、青魚などに置き換えます。
  • 食物繊維をとる:野菜、海藻、豆、オートミールなど。水に溶ける食物繊維は、コレステロールの値を下げる働きがあるとされています。
  • 体重を落とす・体を動かす:太り気味の人は、体重を落とすことで値がよくなることがあります。

正直、「コレステロールの多い食べ物を避ける」より、「飽和脂肪酸を減らして、食物繊維を増やす」ほうが、実際には効きやすいと思います。

よくある質問

コレステロールは低いほどいい?

体に必要な脂質なので、低ければいいというものではありません。HDL(善玉)コレステロールは、むしろ低すぎないほうがいいとされています。

値が高いと言われたら?

食事だけで判断せず、医療機関に相談してください。家族に心臓病が多いなど、体質で高くなる人もいます。

まとめ

  • 健康な人の食事のコレステロールの上限目標はなくなった
  • LDLコレステロールが高い人は1日200mg未満が望ましい
  • 値に大きく影響するのは、食べ物のコレステロールより飽和脂肪酸
  • 飽和脂肪酸を減らし、植物油・魚・食物繊維を増やす

脂質の目安は脂質代謝の記事、食物繊維は食物繊維が多い食べ物一覧、油の選び方はオリーブオイルの記事にまとめています。

参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」/日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」/文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」