
疲れをとるのに、これを食べれば治るという食べ物はありません。いちばん効くのは、しっかり眠ることと、食事を抜かずにエネルギーとたんぱく質をとることです。その上で、糖質をエネルギーに変えるのに必要なビタミンB1(豚肉に多い)を意識すると、食事の面からできることはほぼそろいます。
この記事では、疲労回復のために食事でできることと、よく言われる「疲れに効く食べ物」のどこまでが確かなのかをまとめました。数字は文部科学省の食品成分表の値です。
疲れたときの食事の基本
- 食事を抜かない:エネルギーが足りないと、だるさが続きます。忙しいときほど、おにぎりやパンだけでも食べるほうがいいです。
- 主食・主菜・副菜をそろえる:ご飯(エネルギー)、肉・魚・卵・大豆(たんぱく質)、野菜(ビタミン・ミネラル)をそろえると、必要な栄養がひととおりとれます。
- 運動のあとは糖質とたんぱく質:筋トレや運動で使ったエネルギーと筋肉の回復には、ご飯と肉・魚などの組み合わせが向いています。
- 水分をとる:軽い脱水でも、だるさや集中力の低下につながります。
ビタミンB1と豚肉
ビタミンB1は、ご飯やパンの糖質をエネルギーに変えるときに必要なビタミンです。足りないと、疲れやすさにつながります。
| 食品(100gあたり) | ビタミンB1 |
|---|---|
| 豚ヒレ(赤肉・生) | 1.32mg |
| 豚もも(皮下脂肪なし・生) | 0.94mg |
| 鶏むね(皮なし・生) | 0.10mg |
| ほうれんそう(生) | 0.11mg |
豚ヒレ100gで、成人の1日の推奨量と同じくらいのビタミンB1がとれます。鶏むね肉の10倍以上です。豚肉は、ビタミンB1をとるにはとても優秀な食べ物です。
よく言われる「疲れに効く食べ物」はどこまで確か?
- イミダゾールジペプチド(鶏むね肉など):疲労感をやわらげるとして、機能性表示食品として届け出ている商品があります。ただし、商品の量でとったときの話です。
- クエン酸(レモン・梅干しなど):元の記事では「疲労物質を体内から出す」と書いていましたが、「乳酸=疲労物質」という考え方自体が見直されています。すっぱいものがおいしく感じて食が進む、くらいに考えておくのがいいと思います。
- たまねぎ:元の記事では「生で食べるとメンタルの疲労にも効く」と書いていましたが、根拠がはっきりしないので外しました。
- 甘いもの:おなかがすいて頭が回らないときに、少し糖分をとると楽になることはあります。ただ、食べすぎると、あとで眠気が強くなることもあります。
- エナジードリンク:カフェインで眠気や疲れを一時的に感じにくくするもので、疲れがとれるわけではありません。カフェインのとりすぎにも注意してください。詳しくはカフェインの1日の目安の記事にまとめています。
食事以外でいちばん効くこと
正直、疲労回復には、食べ物よりも睡眠のほうがずっと効くと思います。成人は6時間以上の睡眠が目安とされています。睡眠については睡眠時間の記事にまとめています。
- 寝る前のスマホやカフェイン、お酒を控える
- 軽く体を動かす(ウォーキング、ストレッチ)
- お風呂で湯船につかる
注意したいこと
休んでも疲れがとれない状態が続く、体重が急に減った、息切れや動悸がある、気分が落ち込む、といったときは、病気が隠れていることもあります。我慢せずに医療機関を受診してください。
まとめ
- 疲れに特効薬になる食べ物はない。睡眠と食事の基本がいちばん
- ビタミンB1は豚肉に多い。豚ヒレ100gで1日の推奨量くらい
- クエン酸、たまねぎ、甘いものは期待しすぎない
- エナジードリンクは疲れを感じにくくするだけ
1日の食事のバランスは食事のカロリー・PFC計算ツール、たんぱく質の目安はたんぱく質の必要量計算ツールで確かめられます。
参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」/厚生労働省「日本人の食事摂取基準」/厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」/消費者庁 機能性表示食品制度





