長崎で伝統行事となっている
精霊流しをご存知でしょうか。
歌手のさだまさしさんの歌で有名なため
聞いたことがあるという方も
いるかもしれませんね。
死者の魂を弔って送るために
お盆に行われる行事です。
今回はこの伝統的な精霊流しについて
見ていきたいと思います。
日程や日時に加え、
どんな由来や歴史があるのかも
見ていきましょう。
精霊流しとは?
そもそも精霊流しとは
どのようなものなのでしょう。
皆様もお盆には各ご家庭で
様々な行事を行っているかと思います。
長崎ではこの精霊流しの日に
初盆を迎えた故人の家族が
精霊船というものを造り、
故人の霊を乗せて流し場と
呼ばれる場所まで運ぶという行事を行います。
初盆でない場合は精霊船を造らず、
藁を束ねた小さな菰に
花や果物などの供物を入れ、
流し場まで運ぶようになっています。
初盆を迎える場合の船には二種類あり
各家庭の個人船と自治会など
地縁組織が合同で出すもやい船があります。
この精霊船は藁や木材で造られ、
サイズは十数センチのものから
もやい船のような10メートルの
大きさなど様々であります。
提灯や造花で飾られ、
さらに家紋や故人の好きな物を描いてあるなど
とても華やかなものとなっています。
以前は本当に海に流し
途中で燃やすというものでしたが、
現在は環境のためもあり
流すことはなくなったようです。
それでも他県ではあまり
見ることのできない独特なものであるため、
その光景を一目見ようと
各地から沢山の人が訪れるようになっているんですよ。
ただお祭りと勘違いされることもあるようですが、
行事としては弔いを目的としているので、
厳かな気持ちをしっかり持って見学したいですね。
精霊流しの由来は中国から?
この精霊流しは中国の彩舟流しが
起源とされているという説が有力です。
彩舟流しとは、昔日本と中国が貿易をしていた際に、
道中で亡くなってしまった方や
日本で亡くなってしまった方が
故郷の中国へ帰ることができるようにと始まった行事です。
そして精霊流しでとても特徴的な
爆竹を打ち鳴らすという風習があるのですが、
これは中国で魔除けとされています。
そのため、精霊流しは中国の風習が
色濃く出ていると言えるでしょう。
精霊流しの爆竹はとても迫力のあるものです。
段ボールに詰められた爆竹に火をつけ
一気にならします。
そのため音もとても大きく
耳栓も必要というほどですので
準備しておいた方がいいかもしれませんね。
ただ最近では魔除けの意味合いが薄れてきており、
派手さを重視した様子もうかがえます。
あまりに派手なため危険という考えも
出てきているほどですが、
伝統的な行事であるため、
節度ある方法で続けてほしいですね。
日程や日時は?
他県では見ることのできないものですので
訪れてみたいと思った方も
いるのではないでしょうか。
日程や日時を見てみましょう。
精霊流しは毎年8月15日に行われます。
時刻は午後5時から午後10時まで行います。
夜船に灯された明かりは
とても幻想的なので素敵ですよ。
爆竹も火柱が立つように
迫力あるものですので
是非見てみたいですね。
さて、この日は交通制限もありますので、
気を付けておきたいところです。
車の場合は通常の道路が使えなくなるだけではなく、
路面電車の線路変更やバスの時刻変更もあります。
交通制限は精霊流しの終わった午後11時には
解除予定となっていますので、
その点を注意して訪れるようにしましょう。
見どころとしては、
最近では変わり精霊船というものもあり、
普通の船の形ではなく
ヨットのような形のものなど様々にあります。
またもやい船は3艘4艘と連なり
巨大な精霊船も見ることができます。
是非注目してみてくださいね。
いかがでしたでしょうか。
お盆と言えば静かに故人を送るという
イメージの方が多いかもしれませんが、
このように華やかに明るく送るという
風習も素敵ですよね。
夏のお出かけには
是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか。